「JIA東海住宅建築賞」の歴代の受賞作品です。 最高峰の「大賞」を受賞した住宅と建築家を一覧にしました。 この賞は日本建築家協会(JIA)東海支部が主催。東海4県(静岡、愛知、岐阜、三重)に建てられた優れた家が対象です。 2013年に創設されました。 選考結果は毎年10月頃に発表されます。
年 | 作品 | 受賞者 | 説明 |
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2024 |
「多治見の住宅」
(岐阜県多治見市) |
伊藤維(たもつ) (伊藤維建築設計事務所=岐阜県) |
家と工場の入り混じる地域に建つ。2階建ての母屋と、長く伸びるコンクリートブロック塀の間に下屋が配される。塀は南側道路に、母屋は北側道路に正対し、下屋はそのふたつから決まる台形平面となる。
大小の製陶工場や家屋が混在する地域で、増築を重ねた建築群や、経年した塀、植物、不定形の細い道など、多様な形態、素材、時間が風景に定着している。その中の古家がひとつ解体されぽっかりできた400平方メートル強の更地に、周囲よりとても小さな100平方メートル弱の住まいをつくりたいという依頼だったという。 受賞者の伊藤維氏は岐阜県本巣市出身。幼少期から建築に興味を持ち、岐阜高から東京大建築学科に進学。卒業後、設計事務所で住宅や公共施設の主任経験を積んだ後、米国のハーバード大デザイン大学院に留学、建築学修士を取得した。 建築家であると同時に、教育者である。 スイス連邦工科大やシンガポール工科デザイン大学で教員を務めた後、名古屋造形大学の准教授に就任。 世界で活動しながらも、地元・岐阜とのつながりを大切にしている。 参考→ |
2023 |
「小径の住まい」
(愛知県名古屋市) |
田中郁恵 (田中郁恵設計室=京都府) |
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2022 |
「土蔵と補う増築」
(岐阜県高山市) |
澤秀俊 (澤秀俊設計環境 SAWADEE=岐阜県) |
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2021 |
「多米(ため)の家」
(愛知県豊橋市) |
彦坂昌宏 (彦坂昌宏建築設計事務所=愛知県) |
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2020 | 新型コロナウイルスの影響で中止 |
年 | 作品 | 受賞者 | 説明 |
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2019 |
「SLBH4」
(岐阜県郡上市) |
河合啓吾 (TAB=岐阜県大垣市) |
「SLBH」とは「Super Low-cost Big House」の略。
つまり「超低価格で建てる大きい家」である。
このシリーズの第4弾。
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2018 |
「毛鹿母(けろくぼ)の家」 (岐阜県恵那市) 参考→ |
浅井裕雄・吉田澄代
(裕建築計画=名古屋市千種区) |
農家の古民家を改修した。
都心の夫婦が、子育ての場所として田舎暮らしを選択し、
岐阜・恵那(えな)の山奥の古民家を購入した。
母屋は典型的な農家。
築100年以上たっていた。
農村集落の美しさを維持するため 外観はあえて変えず、
最小限の工事で土間などの復活や断熱を実現した。
詳細(会社のHP)→ 詳細(受賞結果)→ |
2017 |
「傘の家」 (静岡県焼津市) 写真→ |
原田真宏・原田麻魚
(マウントフジアーキテクツスタジオ=東京都港区) |
受賞者の原田真宏が育った実家を、両親のために建て替えた。
平屋住宅。
大黒柱と4本の登り梁によって、
巨大な傘のような屋根を構築。
これによって開放的な大空間を実現した。
詳細(雑誌記事)→ 詳細(受賞結果)→ |
2016 |
「蔵前の家」 (岐阜市蔵前) 写真→ |
吉田夏雄
(吉田夏雄建築設計事務所=名古屋市名東区) |
道路側の床を半階あげることで、プライバシーを確保しながら光と風を内部に取り込んだり、外部に生活の息遣いを柔らかく伝えた。
各部屋の床や天井の高さを変化させながら隣接型によって構成。それによって、部屋ごとに異なる個性を持った居場所をつくりだした。 詳細(公式ブログ)→ 詳細(受賞結果)→ |
2015 |
「Nの住宅地の住宅」 (静岡県浜松市) 写真(1→ 2→ 3→ 4→ 5→ 6→> 7→) |
木村吉成・松本尚子
(木村松本建築設計事務所=京都市中京区) |
詳細(会社のHP)→
詳細(受賞結果)→ |
2014 |
「Dragon Court Village」 (愛知県岡崎市) 動画→ 写真→ |
稲垣淳哉・佐野哲史・永井拓生・堀英祐
(Eureka=愛知県岡崎市) |
詳細(会社のHP)→
詳細(建築情報サイト)→ 詳細(リクシル)→ 詳細(雑誌)→ 詳細(東海建築文化センター)→ 詳細(受賞結果)→ |
2013 /第1回 |
「光の郭」 (愛知県豊川市) 写真→ |
川本敦史・川本まゆみ
(エムエースタイル建築計画=静岡県牧之原市) |
詳細(東海建築文化センター)→
詳細(雑誌)→ 詳細(受賞結果)→ |
2015年5月8日、建設通信新聞
日本建築家協会東北支部宮城地域会(JIA宮城、安達揚一地域会長)は、仙台市青葉区のせんだいメディアテークでJIA新人賞受賞講演会を開いた。『shore house・海辺の家』で2014年度の同賞を受賞したマウントフジアーキテクツスタジオの原田真宏・麻魚両氏が、処女作から近作までを紹介するとともに、「社会科学と自然科学の合理性を橋渡ししたい」と各作品の根底に共通する設計思想を語った。
処女作となった『XXXX・焼津の陶芸小屋』は、施主が自動車購入費用としていた150万円の予算でつくったアトリエ。「極限まで合理性を突き詰めてデザインに転化したプロジェクト」(真宏氏)は、セルフビルドを実現するため、全ての部材を人力で運べるように構築したという。
『TreeHouse』では、「生物界では合理的な考え方」(同)という極座標を採用。木の幹を中心に据えつつ、不整形な住宅街の敷地に合わせて、長さの違う枝が広がるように空間を決めた。こうした新工法や新規格は「実寸の模型などをつくり、職人さんにわかりやすく伝えることが事務所の伝統になっている」(同)という。
受賞作の『海辺の家』は、「施主の趣味」としている海辺に流れ着いたものを集めて立体形をつくる“ビーチコーミング”の考えを取り入れた。豊かな自然に恵まれた敷地の秩序をよりどころに、「自然や人工など由来に関係なく集まった素材の声を聞き、その性質に合わせてうまく再分配することで、均質ではないが大らかな関係で素材同士が結びつく建築が生まれた」(同)と語った。